ホテル暮らしでも住民票の住所変更は必要?住民票の手続きで知っておきたいこと

作成: 2021.04.22

更新: 2022.02.08

近年、働き手の価値観が多様化し、働き方・生活様式の選択肢もまた多様化してきました。仕事場所を選ばない「ノマドワーカー」や、特定の住所を持たずにネットカフェやホテルを転々としている「アドレスホッパー」として働く方が増えてきています。
 
そこで本記事では、ノマドワーカーやアドレスホッパーとしてホテル暮らしをする方が知っておくべき住民票に関する情報をまとめてご紹介します。

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ノマドワーカーとは?

ノマドワーカーとは、パソコンやスマートフォンなどを使い、場所を選ばずに働く人を指します。社会全体のデジタル化によってIT関連の職業の需要が増えていることもあり、IT系の職種でノマドワーカーとして働くことを選ぶ人たちが増えてきています。
 
2020年から始まったコロナ禍によって社会全体で仕事のリモートワーク化が進み、ノマドワーカーが働きやすい環境が整ってきています。

アドレスホッパーとは?

アドレスホッパーとは、定住する家を持たずに移動しながら生活する人のことです。 アドレス(住所)をホッピング(転々と)するという意味で、アドレスホッパーと呼ばれています。
 
アドレスホッパーとノマドワーカーは、類義語ですが、アドレスホッパーは仕事という観点についての定義が含まれていません。しかし両者ともに場所を選ばず転々としている人、という点においては同じです。

住民票の役割とは



住民票の役割は主に2つあります。まず一つめが、「居住証明」。二つめは「行政サービスを受けるために必要な許可証のような役割」です。本章では、その住民票の2つの役割について、詳しくご紹介します。

居住証明になる

自分が住んでいる市区町村に住民票を登録することで、実際にその市区町村に住んでいることを証明できます。つまり、居住証明になります。
 
就職やクレジットカードの作成には、信用が必要になりますが、その際には居住証明ができた方が信用度が高く、有利になります。他にもさまざまな場面で居住証明が求められます。

各種行政サービスを受けられる

行政サービスとは、住民票を住んでいる市区町村に登録することで受けることができるサービスのことです。主に給付金の交付や公共施設の利用、公共サービスの利用などができます。
 
住民票を登録することではじめて受けられるようになる行政サービスがあります。したがって、住民票は行政サービスの許可証のような役割を果たしていると言えます。

住民票にホテルの住所を登録できるの?


住民票の登録住所をホテルにすることは不可能ではありません。ホテル側と交渉した結果、住民票の登録住所をホテルの住所にできる場合もあります。
 
しかし、1週間や1ヶ月といった短期滞在の場合は、ほとんどのケースで登録できません。また、半年や1年などの長期滞在をする場合であっても、ホテルによっては住民票の登録を認めていないことがあります。

住民票を登録しなくてもいい場合はある?

生活の拠点が変わらない場合は、住民票の登録住所を変更しなくても大丈夫です。例えば、単身赴任ですぐ戻る可能性がある場合や、進学したのちに実家に戻って就職する予定がある、といった場合です。
 
1年を超える長期間にわたり特定のホテルで生活をする予定がある場合は、生活の拠点が変わることになるため、住民票の登録住所は変更しておいたほうが無難です。

住民票の住所変更を行う際の流れ


住民票の住所変更の手続きがスムーズに行えるように、ここでは住民票の住所変更手続きについて解説していきます。ご自身の参考にしてください。

必要なもの


住民票の住所変更を行う際に必要なものは、主に以下の3点です。
 

  • 運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの本人確認書類
  • 旧住所地の市区町村が発行した転出証明書
  • 戸籍謄本(戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するためのもの)


住んでいた市区町村の役所で転出届を提出

まず、転出届を旧住所地の市区町村役所へ提出します。転出届を提出した後で、新住所地の役所へ提出する「転出証明書」をもらっておきます。

旧住所地と新住所地が同じ市区町村である場合、役所へ「転居届」を提出するだけになるため、以下で説明する手続きは不要になります。

新住所の市区町村の役場に転出証明書を提出

必要事項を記入した「転入届」と、旧住所の役所で発行した「転出証明書」を新住所地の役所窓口へ提出します。遅くとも新住所地に引っ越してから14日以内に手続きを済ませなければなりませんのでご注意ください。

住民票の住所を変更を行う際の注意点



住民票の住所変更を行う際には注意しなければならないポイントが2点あります。本章でご紹介します。


「抄本」と「謄本」の違いに注意する

「抄本」と「謄本」の違いについてご存知でしょうか。戸籍には「抄本」と「謄本」の2種類があります。
抄本とは、本人情報のみが記載されているものです。主に単身の引っ越しの際に利用します。一方で、謄本は世帯全員の情報が記載されているものになります。

ホテル住まいが本人のみ、婚姻関係がないカップルの場合は抄本を用意します。婚姻関係がある夫婦や、家族でホテル暮らしをする場合には、謄本を用意する必要があります。

住民票は引っ越し14日以内に変更手続きをする

転入から14日以内に住所変更を行わなかった場合は、正当な理由がなければ5万円以下の過料が裁判所から命じられることがあります。また、新住所での選挙権や運転免許証の更新、確定申告などを行うことができないといったデメリットがあります。
 
上記の理由から、住民票の住所変更を行う際は、新住所地の役所へ14日以内に届け出るようご注意ください。

住民票の住所変更をしないと被るデメリット


ついつい忘れがちな住民票の住所変更ですが、なぜ住民票の住所を変更しなければならないのでしょうか。住所変更をしなかった場合のデメリット4点をご紹介します。


更新や発行ができない証明書がある

 更新や発行ができない証明書とは、具体的には運転免許証や印鑑証明書などです。運転免許証や印鑑証明書は、住民票のある自治体以外で発行や更新をすることができません。

運転免許証は、講習を受けることで更新できますが、その講習は住民票のある地域でのみ受けることができます。そのため、住民票を移してないと旧住所の免許センターに出向くことになるのです。このように、住民票を移していないと余計な時間と手間が掛かってしまうことがあります。

選挙に参加できない可能性

住民票の住所変更は、選挙への参加にも影響があります。一部の地方議会選挙では、住民票の住所変更を行っていなければ新居住地での選挙権がもらえません。
 
国政選挙の場合は別で参加はできますが、投票所入場券は以前の住所宛で発送されるため、旧住所で投票することになります。

一部の郵便物が受け取れない

本人確認の書類などが必要な郵便物の場合、受け取れない可能性があります。住民票を移さないと、本人確認書類が無効になる場合があるためです。
 

確定申告が新住所で行えない

確定申告は税務署で行うため、住民票を移してないと新しい居住地にある管轄税務署では確定申告ができません。

ホテル暮らしの住民票の住所変更はケースバイケースで


ホテル暮らしの場合でも、ホテル側と交渉してOKをもらえればホテルの住所に住民票の住所を変更可能なこともあります。しかし短期滞在の場合では、住民票の住所をホテルの住所に変更できないことがほとんどです。長期滞在でも、変更できないホテルもあります。
 
ですから、長期滞在の場合にはホテルの住所に住民票の住所を変更できるかあらかじめホテル側に確認を取っておくとよいかもしれません。本記事がご参考になれば幸いです。
 
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